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試験監督

作者:恵過柔 文章来源:贯通论坛 点击数 更新时间:2004-7-9 11:08:00 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语

 

試験会場 毎年、期末試験が差し迫ると、R大学の教務課は人手不足に陥ります。そこで学校側は大学院生の中から試験監督を募集します。まるまる二週間も監督をすれば、10万円も貰うことができるのです。
 当初、試験監督の時給は今より高くて、1時間半で3000円も貰えました。1日4科目こなせば、1万円の日給を稼ぐことが出来ます。
 しかし、バブル崩壊後、試験監督の時給も下がり、1時間1200円になってしまいました。
 さらに、大学院生の人数も増えたので、「僧多粥少」(物が少ないのに人が多くて分配できないこと)、一人あたりの監督回数は前より少なくなってしまったのです。
  
 日本の大学の試験プロセスは少し複雑です。試験開始10分前までに試験監督は試験場に着かなければなりません。まず受験票を配り、受験生達に氏名、学籍番号、学部、クラス、試験科目と担当教授の氏名などを受験票にもれなく書くように指示してから、解答用紙を配ります。最後は問題用紙を配ります。
 試験開始後、監督は受験票の回収と試験人数の確認などをするのです。そして分類ずみの受験票を該当する担当教授に提出してサインをもらいます。
 試験開始後30分たつと、受験生が退場できるので、退場する学生の解答用紙を回収します。試験終了後、数を確認した解答用紙を教務課に提出してからやっと一通りの任務が完了したことになります。
  
 試験監督をする人は、まず担当教授が、皆が即答できるような簡単な問題を出してほしいと思うものです。なぜならそうすれば、お役目から少し早めに解放されるかもしれないからです。
 また、主任監督の先生は優しい人であって欲しいと願います。だってよく試験監督まで監視してしまうような主任監督の先生がいますからね。

 私の経験からいうと、年配の先生は若い先生より優しい人が多いのです。試験監督の大学院生たちに自由にやらせてくれます。
 ですから、別に多くの言葉がなくても仕事は順調に進んでいきます。仕事が終われば、先生の「ご苦労さま」という一言で、みんな和やかに解散するのです。
  
 でも中年の先生には威張る人が多いようです。彼らは他人より仕事ができると思い込み、しかもいつもそれを見せびらかそうとするんです!いちいち指示を出したがり、何事でも自分でカバーしないと気が済まないようです。お陰でイライラさせられることが多いんです。
 一番頭に来るのは、彼らの「試験監督の奴が怠けてるぞ!」と言わんばかりの態度です。普通は、試験監督は受験生達を邪魔しないように試験開始後はなるべく教室の中を見回ることを避けているのですが、このタイプの先生ときたら、「なぜ見回らないの?カンニングする人がいるかもしれないから、あちこち回ってきてください。」と言いにくるんですよね。
 そういう先生は、時々カンニングしている生徒を捕まえることで、試験監督の大学院生を脅かそうとしているのかもしれません。
  
 R大学の教室はわりと狭いので、机の間の通路は一人がやっと通れるくらいの幅しかありません。冬の期末試験シーズンともなると、教室の後ろに上着をかけるコーナーが作ってあっても、受験生は試験監督が自分のそばを通らないように、わざと上着と鞄を通路に置くわけです。
 また木製の床は踏むごとに、ギ、ギーッと音を立てるので、試験監督が踏み出す一歩一歩は、まるで犯罪のようです。
 それに加えて、すぐそこに「回れ!」と急き立てる先生がいるんですよ?試験が終わるころには、体力ではなく精神的疲労でグッタリ……。

 私はときどき、1日の試験監督は、1日の力仕事より人を疲れさすような気がするのです。

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