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国際結婚談義

作者:江尤  来源:贯通论坛   更新:2004-7-9 10:50:00  点击:  切换到繁體中文

 

親子連れ ここは小さな街です。統計によりますと、総人口は9万7千か9万8千人程度です。最も多いときでも9万9千人に達してはいたものの、10万人までには至らなかったということです。
 東京にとても近いし、家賃も高くないので、ここには多くの外国人が住んでいます。その中には、日本人のお嫁さんになる外国人女性も少なくありません。ときどき日本人女性をお嫁にもらった外国人男性も見かけます。
 
 80年代から、嫁不足でフィリピン人女性をお嫁さんにもらう日本人があらわれました。それは当時アジア各国の中で、フィリピン人女性が日本人の妻として最も好まれたからでしょう。
 フィリピン人女性は主人に対して従順であり、こまめで働き者だというふうに好評でした。そうしてフィリピン人の女性がたくさん日本にやってきたというのです。
 特に日本の農村では、すでに国に夫や子供がいるフィリピン女性でもお嫁に来る人がいたほどです。ですからこの小さな街でも、最もよく見かける外国人はフィリピン人のお嫁さんなのです。
  
 日本にきて最初のうち、私は3つほどの電子製品検品工場で働いていた経験があります。これらの工場は社長から平社員までみんな日本人です。たまに留学生の妻を一人か二人くらいは見かけましたが、フィリピン人のお嫁さんにあったことは一度もありませんでした。その後もある洋裁工場で働いたのですが、肝心のフィリピン人女性を見かけることはなかったのです。
 ここのフィリピン人の妻達は働かないのだろうかと、最初私はとても不思議に思ったのですが、ある新聞記事を見てからその訳を知るようになりました。その記事によると、在日フィリピン人女性はスナックで働く人が多いということでした。
 なぜ人妻なのにわざわざスナックで働かなければならないのかと、にわかには信じられませんでした。しかしやがて私は、ある偶然のきっかけでその謎を解くことになったのです。

 それはあるアクセサリー工場の募集要項から語らなければなりません。それは電子製品検品工場の仕事をやめてから数日後のことでした。私は新聞のチラシからそのアクセサリー工場の募集要項を見つけました。
 そこには「国籍不問」という文字が書かれていて、しかも給料は前の工場と同じくらいだったので、応募してみようかと思い面接に行ったのです。
 面接官はすこし汚れている感じの年配の人で、使う言葉をあまり選ばず、外国人のことならよく知っているよという顔をしていました。
  
 この工場は街からちょっと離れたところにある精密鋳造工場です。生産プロセスは、まず作ろうとするアクセサリーやメガネのフレームなどの型作りをしてから、それを使って各種のアクセサリー製品を作るのです。
 私の仕事は、綿棒にシンナーをつけて、出来上がったプレス型の余分な部分を取ってしまうことです。大変な仕事ではないですが、アクセサリーはサイズの小さいものばかりで、その上の余分な部分はさらに小さいのですから、この種の仕事は目の良い人にしか勤まりません。
 でも日本では、工場にアルバイトに来る日本人といえばたいてい年を取った女性で、もちろん目がそれほど利くわけではありませんから、このような仕事につく人は多いとはいえません。そんなわけで、ここは主に外国人女性の働き場になったのです。
 
 私が入ったとき、その工場にはチリ人女性が2人いるほか、フィリピン人女性が6、7人いました。チリ人は皮膚の色はそれほど白くないのですが、顔つきを見るとヨーロッパ人に見えます。フィリピン人は、1人は30歳でしたが、ほかは大抵20代の人でした。私が入ったあと、もう1人中国人女性が面接に来ました。彼女も採用されました。
 ここの工場長はきっと若いときよく女遊びをしていたのでしょう。「胸とお尻の大きい女性は目が老眼になりやすいし、仕事をするときも落ち着きがないので、この仕事には適さない。」というのが彼の経験論でした。そんな工場長の持論を裏付けるものが、ちょうど私の目の前にありました。
 それは私の向かい側に座っている胸もお尻も大きなフィリピン人女性で、リサという名前の人でした。確かに彼女は仕事する時の神経はあまり細かいとはいえません。しかも大変なおしゃべりでした。でも、工場長は彼女のことが嫌いなわけではなかったのです。
 
 私が工場に入ってからも、しばしば工場は募集を行ってきましたが、応募に来る日本人女性は一人も採用されませんでした。それなのに、人の紹介で応募にきたフィリピン人女性はみんな採用されるのです。また、採用される人は、何年か前にここで働いていたけど、途中でやめてまた帰ってきたという人が多いのです。
 工場長はフィリピン人女性が大好きのようで、仕事を割りあてるとき、彼女達と軽口を叩き合ったりするのも、よく見られることでしたし、彼女達とお互いにちょっかいを出し合うのも、珍しいことではありませんでした。
 フィリピン人女性は、それをぜんぜん気にしないどころか、逆に喜んでるようなのです。でも、そんな工場長もいったん私たち二人の中国人の前にくると、言葉遣いがだいぶ生真面目になってしまうんですよね。
  
 この工場では、フィリピン人の出入りがとても激しいのです。前の日楽しく働いていたのに、次の日になって急にやめてしまう人がよくいます。その後は、その人の影さえこの工場から消えてしまうのです。でもしばらくすると、また急に帰ってきて仕事をしたいと、他人をつてに頼んできます。工場長も何も気にしないようで再び彼女達を受け入れるのです。
 彼女達は日本人妻の身分を持つ人がほとんどですが、たいてい一人暮らしをしています。昼間、この工場で働き、夜にまたスナックのホステスになるのです。リサという女性も実際はスナックのママさんをやっているということでした。つまり昼間はアルバイト、夜は店開きということなのです。
 彼女達が使っている日本語はいわゆる「スナック日本語」ですから、軽口の言葉です。一つか二つかの文章なら流暢に言えるのですが、何か事を説明しようとすると、なかなかうまく説明できません。ほとんどの場合は、相手に心で理解させるほかないのです。
  
 ラリというフィリピン人女性がいました。とても綺麗な人です。彼女は日本人の夫と仲がとてもいいそうで、毎日仕事が終わった後、ご主人が迎えに来るということです。
 ところがある日、工場のある鋳造工が、朝工場にくる途中でちょうどラリが自分の服を直しながら、黒塗りの車から降りてくるところを見かけて、しかも車の中には確かに二人の男性がいたといったのです。でもそれを聞いた人はみんな不思議にも思わなかったのです。みんなはそういうことに対してもう慣れっこなのですから!
 セルというフィリピン人女性は、二人の子供がいます。一人はフィリピン人愛人との間の子供で、もう一人は今の日本人夫との間の子供だそうです。でも、今のご主人は二人の子供を一緒に育てているという話です。  
  
 フィリピン人女性の男性に対する態度はとてもやさしく見えます。男性との付き合いがとても上手な人たちなのです。そんなわけで、工場長ですら彼女達に会うといつも笑顔満面です。
 工場長の彼女もこの工場で働いています。彼女は大変なヤキモチ焼きですが、フィリピン人女性たちは工場長にちょっかいを出しつつも、彼女との関係をうまくやっているようです。きっとその後ろには何か隠し事があるではないかと思ってしまうほど不思議なことです!
 仕事が多いとき、工場は夜7時か8時まで仕事をするのですが、工場長とほかの従業員はだいたい6時にあがってしまい、その後の仕事はいつもチリ人とフィリピン人に任せてしまいます。
 でもその後の時間、彼女たちはほとんど仕事をせず、みんな順番に工場の電話を使って自分の常連客に電話してスナックに遊びにくるように誘うわけです。それでも、工場長はぜんぜん怒らないのです。
 たぶんそこになにかの「堤内損失堤外補」(あるところでの損失を別のところで補うこと)のような解決方法があるのでしょうね。
  
 2人のチリ人女性は素早く仕事ができるほうですが、でもおしゃべりでもあるので、一度おしゃべりをし始めると、仕事のスピードは見る見る落ちてしまいます。一日中、二人は常におしゃべりをしながら仕事をします。フィリピン人女性は、一人が早いほかは、みんな仕事のスピードは遅いのです。しかもよくミスを起こす人たちです。
 特に、あのスナックのママさんは、まったく仕事になりません。それなのに工場長は彼女のことをあまり怒らないのです。その上、私がそのスナックのママさんの気に障ったということで、工場長は二日も私のことを目の敵にすることがあったほどです。鋳造班の一人もここのフィリピン人のことで、ずっと工場長に嫌われているという話も聞きました。
 
 フィリピン人妻は日本人と似ている所があります。1つ目は、男女問題にわりと節操が無いところです。日本人は礼法の教育を多少受けてきましたが、でも性の問題に対する態度は割と軽く、貞操のことをあまり考えないようです。フィリピン人の女性は性に対してさらに自由なようです。
 2つ目は、管理しやすいということです。日本人は、「怕官又怕管」(上司を恐れ、また監督されるのも嫌がる)人が多いので、上司からやかましく言われることは、自ら避けようとするようです。フィリピン人は、上司を恐れるほかに、仲間内での強い人をも怖がるのです。
 同じアルバイトをしている外国人との付き合いはあまり真剣に考えていません。かえって、みんな一つになって他人をいじめたりするのです。
 3つ目は、よく気が回るということです。お正月や何か特別な日がくると、工場長や常連客にお礼をあげることが、ある種の習慣になっているようです。バレンタインデーがくると、彼女たちは安上がりのチョコレートを買ってきて工場内の男性達の自尊心に満足感を与えます。
 この工場のなかではなんとも奇妙なバランスが成り立っているのです!
 
 なるほど、今になってやっと私はなぜフィリピン人女性が、表立って日本人の口から悪口をいわれないのかを悟ったのです。


 

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