中国人の在留認定激減
不法滞在増で厳格化
【北京=加藤直人】留学や就学目的で来日を希望する中国人にとって、ビザ取得に必要な在留資格認定証明書の今年四月期の交付率が約27%と、前年同期の74%に比べ四割以下に激減したことが分かった。
外国人全体の交付率は46%で、中国人留学生らの入国は極めて難しくなっている。
訪中した法務省の四宮信隆審議官が九日、中国公安省出入境管理局の韓玉生副局長らとの会談で、中国人の不法滞在増加に対応するためビザ審査を厳しくしたことを説明した。中国側は「理解した」と応じたという。
認定証明書は、日本語学校が学生に代わって日本の入管に申請することで交付される。二〇〇二年の71%、〇三年の74%に比べ交付率が激減した理由について、北京で記者会見した四宮審議官は「〇三年までは学費の支弁能力や卒業証明書などの審査を日本語学校自身に任せていたが、法務省が調査したところ偽造文書が山のように見つかった」と述べ、〇四年からは支弁能力を重点に法務省がすべて審査することにしたという。
〇三年に日本から強制送還された不法滞在の外国人四万六千人のうち、中国人は国籍別で最も多い一万二千人を占めた。不法残留する中国人らによる凶悪事件なども目立っており、法務省は初めて四宮審議官を中国に派遣して中国公安当局に実情を説明するとともに、日本への不法入国をあっせんするブローカーや偽造文書の取り締まりを要請した。