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ワンちゃん物語

対抗意識

 日々寒さが増しています。中島さんちのおばあさんは、ワンちゃんを連れて家を出たとたん、冷たい風にさらされて思わず身を縮めました。
 「おとうさん、押し入れから
私のちゃんちゃんこ
を持ってきてくれる?」と、おばあさんは家の中のおじいさんに頼んだのです。
 やがておじいさんは、家からのろのろ出てきました。彼の手には色鮮やかな小さな小さなちゃんちゃんこがありました。
 おばあさんは、それを見るなり怒って言いました。「年を取れば取るほど使いものにならないね。私の、って言ったのよ、わ・た・し・のちゃんちゃんこ、って言ったの!犬のじゃないのよ!」
 おじいさんは、その態度にたいそう不満を感じたようで、ついつい意固地になってしまいました。彼は、ワンちゃんを指しながら、こう言いました。
 「今どき、ちゃんちゃんこなんて犬の着るもんだ。こんなの着る人間がいてたまるか!」

トップの調整
 ワンちゃんと散歩
 毎日、まるまる太ったワンちゃんをつれて散歩する、二人のおばあさんを見かけます。
 おばあさんたちは、二人ともかなり痩せているので、朝早く起きて体を丈夫に鍛えようとしているのでしょうね。
 けれども肥満気味のワンちゃんは、走るのも下手だし、いやいや歩いているようで、自分の匂いを探す遊びに精を出して、すぐに立ち止まってしまいます。
 
 ある朝のことですが、人もワンちゃんも普段より早いスピードで歩いていました。
 でもそのワンちゃんは突然道端の柵の前に止まって、何か臭いを嗅ぎ始めたのです。
 おばあさん達は必死にワンちゃんを連れていこうとしたのですが、ワンちゃんも懸命に対抗していました
 一分ほどの対峙のあと、ワンちゃんはとうとう怒ってしまったように、地面にうずくまってしまったのです。
  
 おばあさんたちは、つい怒ってしまったワンちゃんをなでながら、優しく頼んでみました。それでも、ワンちゃんの機嫌はなかなか治るものではありません。
 
 彼らの傍を通りかかった人は、みんな思わずこの二人一匹組を覗き込んでいます。おばあさんたちは、恥ずかしげに「すみません」と、お詫びをするばかりです。
 すっかりワンちゃんを持て余してしまったおばあさんたちは、仕方なくそのままで世間話をしはじめました。ワンちゃんは、誰も自分のことをかまってくれないことに気づき、ふと立ち上がって塵をぶるぶると振い落すと、猛然と歩き始めたのです。
 
 ワンちゃんを連れてきたおばあさんたちは、今度はまるでワンちゃんに連れられているようで、ワンちゃんの後で必死にステップを合わせようとして歩いています。
 手の空いたおばあさんは、ワンちゃんの傍で走ったり足踏みしたりしているのですが、ワンちゃんの不機嫌そうな顔をみて、これ以上ワンちゃんの気に障らないように今度は運動を控えめにしました。
 ワンちゃんは、こうやっておばあさん達との上下関係を調整し、おばあさん達もわりと理解のある人たちなので、ワンちゃんのステップに従うようになってからは、みんなのお散歩はだいぶ順調になったようです。
 その後、ワンちゃんは、堂々とリーダーシップを担うようになったのです。
  
 ここまで見て、このような体制は世の中にあるリードする、される関係と似ているな、とふと気づき、笑いをこらえられませんでした。
 トップになった人間はいつも訳の分らない命令を出すものですが、部下としてはその意図をよく飲み込むことで昇進していきます。
 もちろん、犬についていっても昇進はできませんが、その状況を飲み込んで、達観して生きて抜いていくしかないのでしょうね。

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