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静かな病室

作者:張省言  来源:贯通论坛   更新:2004-7-2 16:04:00  点击:  切换到繁體中文

 

 
『静かな病室』 最近、インフルエンザに感染して病院に入院していました。お医者さんは特別に、私を比較的静かな病室に入れるようにと言いました。
 「比較的に静かな」と聞いた瞬間、とてもうれしく思ったのですが、病室に入って見ると、中にはすでに何人かのおばさんがいることに気がつきました。
 なんだぁ!既におばさんがいるんじゃないの!中年のお医者さんが言う「比較的静かな」ってこんなイメージなんですね。これは信じがたいことです。
 というのも、中国の東北地方には
「婆は面倒な集りだ」という俗語があります。
 すなわち、女性が集まると、いつも騒ぎが起きるという意味です。(日本でも女3人集まるとかしましい、と言いますよね。)
 年をとった女性はなおのことです。もしかしてこの特別扱いをしてくれた「先生」は、女性の世界について
認識不足なのかも…。

 病室の中には6つのベッドがあります。私が入ったのでちょうど満室(ベッドが全て埋まること)になります。1~2日ほど経つと、5人のおばさん達の特徴をだいたい把握できるようになってきました。
 私の左隣の人はちょっと頭の弱いおばさんです(区別するために、以下「ボケ婆ちゃん」と呼びます)。右の隣人は、癇癪持ちのおばさんです(以下「癇癪婆ちゃん」と呼びます)。
 癇癪婆ちゃんの真向かいにいるおばさんは、他人の事を何でも知りたがるタイプなので、「偵察婆ちゃん」と呼ぶことにします。さらに、彼女の隣の人はかなり昔の考え方をする保守的なおばさんだったので、「保守婆ちゃん」と呼びます。
 最後の一人は、口数が少ないおばさんなので、「無口婆ちゃん」と呼びます。これから語られる病室物語は、この5人のおばさんを巡って展開していきます。

 病室に入って3日目、保守婆ちゃんは2~3時間程度の輸血を受けました。彼女は輸血室から帰ってくるとすぐに寝ることにしました。何時間か後に目が覚めた保守婆ちゃんでしたが、眉を顰めてぶつぶつ何かをずっと言い続けています。
 耳を澄ませてじっくり聞いてみると、なんと「今日は男性の血液を注射されたから、どうしよう…。」といったことのようです。彼女の顔は、まるで一所懸命に貞操を守ってきた少女が、突然強姦されたかのような悔しさに満ちたものでした。
 ちょっと笑いがこみ上げてきた私ですが、一所懸命に笑いを堪えて、周りを見ました。でも案外、反応ってないものなのですね。

 しかし、しばらくすると反応が出てきました。「私も輸血を受けたんですよ。25か26袋もの輸血を。」と、ボケ婆ちゃんが口を出したのです。
 私は、『ボケ婆ちゃんの話は「ハイ、ハイ」とだけ受け止めて、決して信じてはいけない。』という探偵婆ちゃんの言葉を思い出しました。
 確かにそうです。今まさにボケ話が始まろうとしているのです。私はこっそり思いました。通常、輸血袋の容量は一袋100ccです。25、26袋ですと、2000cc(2リットル)をはるかに超えた量になります。これは、全身の血液を全部換えることもできるようなすごい分量です。
 病室の中は、依然として無反応です。ただ、癇癪婆ちゃんがバサバサと大きな音を立てて新聞紙を捲りながら、何気なく言いました。「輸血を受けられたの?いいですねぇ。ところでお水でもないのに、そんなに多くの輸血を受けられたんですかぁ?」と。
 しかし、ボケ婆ちゃんは他人の話を聞く気はなかったようです。何分か過ぎた頃、ボケ婆ちゃんはさっきの話を続けました。「それは30年前のことで、長男を産むときのことだったんです。」と。
 
 このボケ婆ちゃんは、実はたいした病気ではないのです。ただ退院したくないので入院しているようなのです。というのも、家に戻ったらまた夫や子供たちの世話をしなければならないので、病院にいたほうがずっと楽だからです。
 ですから、毎日ここも痛い、あそこも痛いと、入院の期間を延ばそうとして必死です。しかし、その日の午後、お医者さんが来て言いました。
 「どうですか?どこかまだ痛いところはありませんか?」と、ボケ婆ちゃんに尋ねたのです。ボケ婆ちゃんは首を横に振って「NO(ない)」という意思表示をしました。
 「それじゃあ、よろしいですね。あなたの熱は下がりましたので、入院していてもあまり変わりがないでしょう。退院されても良いと思いますよ。明日ご家族に退院手続きをしてもらうようにしてくださいね。」と、お医者さんは話を続けました。
 「ハイ、帰ります。」と、ボケ婆ちゃんは案外あっさりと引き下がりました。

 翌日の朝です。癇癪婆ちゃんが目を覚まして真っ先にやることは、ボケ婆ちゃんをからかって楽しむことです。「加藤さん、今日はいかがですか?」と、癇癪婆ちゃんは笑いのネタを得ようとしています。
 「寝るのも疲れを感じるものですわ。」と、ボケ婆ちゃんは言いました。すると、癇癪婆ちゃんは「加藤さんは元気な時がないんじゃないですか?」と、タイムリーな突っ込みを入れました。
 
 私が入院した際、うちの「狗主人」は(日本語では他人の旦那さんを‘ゴシュジン’と呼びますよね。最初の‘ゴ’の発音はちょうど中国語の‘狗’と同じ発音なので、ここでは冗談で‘狗主人’と語呂合わせをしました。)病院の入院ガイドに従って準備をしたので、歯磨きや石鹸、櫛、化粧品などの日用品を1つも持ってきてくれませんでした。
 しかも最近、歯医者さんの診察を受けていて、「歯磨きをするときは練り歯磨きを使用せずにすること。」と言われていたので、歯磨き粉すらありません。
 そうはいっても、病院は家に比べてやはり不便なところがありますので、用意しておくべきものがないことは物笑いの種になりかねません。
 この部屋は私を除いて、ほかはすべて年寄りのおばさん達です。朝早くから面倒な事の連続です。単にお化粧をするだけでも、1回また1回と、合計3~4回もファンデーションを塗らなければ気がすまないようです。
 この病室の中で唯一若い私が、化粧どころか歯磨き粉さえ使わないことについて、みんな密かに「ケチな中国人」というイメージを私に対して持ち、話題にしています。
 とうとうある日、偵察婆ちゃんは、我慢できなくなったようです。私の後について洗面所に入った彼女は、私が歯磨き粉を使うかどうかを、どうしても確かめようとします。
 言い訳をつくるために、熱心なふりをして私と世間話をするように装っています。私は面倒くさくなったのでトイレの中に逃げて、10分あまりもの間、そこで隠れていました。こうしてようやく偵察婆ちゃんの旺盛な好奇心を回避したのです。
 
 やはり若いせいか、私は火曜日に入院して、翌日に熱が下がりました。しかし、うちの狗主人が私を病院に連れてきたときが、あまりに急だったもので、お金もハンコも家に忘れてきていたのです。
 普段忙しい彼は、病院側に土曜日に手続きをしにくると約束しました。まだ入院手続きをしていないのに、金曜日に退院しても良いとお医者さんに言われたのです。
 すると、うちの狗主人は、金曜日に朝早くお金とハンコを届けてくれたのです。私が入院手続きを終え、病室に戻ってきて、5分も経たないうちに、看護婦さんは退院の領収書などをもってきてくれました。
 ずっと黙っていた無口婆ちゃんがようやく口を開きました。「入院手続きと退院手続きを一緒にやるのを初めて見た。」ということでした。
 「そうだねぇ」とほかの人達も強く共感したようで頷きました。たぶんそのとき、5人のおばさん達の心中では「このケチだと思ってた中国人は案外、信用力の高い人なんだねぇ。」という、共通した言葉が響きあっていたことと思います。


 

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