たこの姿を思い起こすと、まず、あの長くてブツブツだらけの足と、変な形をしたデッカイ頭が浮かんでくるでしょう。
欧米の映画によく、たこを魔物として描いたものがありますが、でも日本人から見ると、たこはただの大好物で、「間抜け」の象徴だとしか思われません。それに日本の水族館では、たこはいつもマジックのできる道化者の役を演じます。
日本の市場で売られているたこは、だいたい茹でだこで、ピンク色をしています。茹でだこは、たこの刺身やサラダなどの料理に使われます。たこの刺身の口ざわりはぴりぴりしていて、ほんの少し潮の味がするのですが、生臭みはありません。
たこ料理といえば、酢の物が最もよく食される料理だと思います。酢の物とは、たこをスライスして、胡瓜と一緒にお酢で和えて食べるサラダ風の料理です。ピンクのたこと緑の胡瓜、色鮮やかでなんと見事な色合わせでしょう。
もし、あなたが北海道の漁師に会ったならば、多分こんな会話が出てくるでしょう。
「たこは大きければ大きいほど高いんだよ!足の半分だけでなんと500円もするんだよ!」
「あら、すごい。怖いね!」と、思わず目を見張るあなたに、
「ちっとも怖くないよ!たこの奴ときたら一番の阿呆なんだよ。わし等は阿呆な奴しかたこと呼ばないのさ。」
と言う返事が返ってくるでしょう。
日本の北から南まで、いたるところに水族館はあります。そこそこ大きい都市ならば、たいてい水族館があるはずです。東京のような大都会の場合は、地区ごとにいくつもの水族館があるのが普通です。
たこが特別な芸を持っているので、水族館のプログラムには、たこが出演するショーがいつも入っています。その芸とは、自分の体より遥かに小さい穴を通り抜けるというものです。